通称「ミニ地球」と呼ばれるエコシステムの研究施設を撮影した作品。 
2人の実験者のために自給自足する、小さな生態系を再現する施設。
生命維持に必要な酸素や水や栄養素はすべて、閉鎖空間のなかで循環する。
そこで実験者は食料となる植物を得るために、タネを植え、育て、収穫し、食べる。
その実験場のなかの彼らは、科学者であり、農業者であり、そして生活者としてふるまう。
 
照明によって昼と夜のサイクルがつくられる。水耕栽培によって植物が実る。排出物の分解作用は機械が担う。

近代科学によって構築された自然のサイクルと、タネをまき、収穫する、古くから繰り返される人々のサイクルとが重なって新しい風景をつくる。